最近、ビジネス書はそれなりに読めるのに、小説になると途端に読み進められなくなることが増えてきました。
特に、登場人物が多いのに説明が少ない作品だと、「この人誰だったっけ?」となってページを行ったり来たりしているうちに集中力が切れてしまいます。
最初に試した「丸投げプロンプト」は失敗
最初は、登場人物の整理をまるごとChatGPTに任せられないか試してみました。
書籍「〇〇」をxxページまで読みました。ここまでの登場人物をまとめてください。
というプロンプトを投げたところ、一見それらしい登場人物リストが返ってきました。
ところが、よく読むと「そんな人物出てきていないぞ?」という名前や設定が紛れ込んでいます。
問い詰めてみると、「販売されている小説の中身は把握しておらず、具体的な登場人物はわからない」とのこと。
つまり、手元の本の内容をそのまま要約してくれているわけではなく、「ありそうな小説の人物像」を想像して補っていた、ということが分かりました。
このやり方では、かえって混乱が増えるだけなので、一度仕切り直すことにしました。
登場人物とアイテムを「自分で入力」する方式へ
次に試したのは、登場人物や重要そうなアイテムを、こちらから一つずつ入力していく方法です。
やったことはとてもシンプルです。
- 新しい登場人物が出てくるたびに「名前+一言コメント」を入力する
- 例)「山田太郎:主人公の同僚。皮肉屋だけど面倒見が良い」
- 大事そうなアイテムや場所が出てきたら、同じように名前と一言コメントをメモする
- 例)「古い腕時計:主人公の父の形見。時間が止まったまま」
- 数人分たまったタイミングで、ChatGPTに「ここまでの登場人物とアイテムを整理して」と依頼する
このとき、プロンプトの冒頭で
これから、小説に出てくる登場人物とアイテムを少しずつ送ります。
受け取るたびに、全体の一覧を更新して表示してください。
と伝えておくと、メモを追加するたびに、毎回「現時点での完全版リスト」を返してくれるようになりました。
毎回「全体像」を出してもらうと一気に読みやすくなる
この方法に変えてからは、読み進めるたびに
- いま誰がいて
- 誰と誰がどういう関係で
- どんなアイテムが物語の軸になっているのか
が常に最新の状態で一覧になっているので、理解がかなり楽になりました。
特に良かったのは、
- 自分が書いた一言コメントをベースに整理されるので、「読み間違い」がそのまま可視化される
- 「この人物の説明が足りないな」と気づいたら、その場でコメントを書き足して再整理してもらえる
という点です。
途中からは、人物相関が頭の中に定着してきて、メモを見なくてもすっと思い出せるようになり、そのあとは一気に読み進めることができました。
ビジネス書と小説で違う「脳の使い方」
今回の体験を通じて、ビジネス書と小説では、使っている脳のモードがだいぶ違うのだろうなと感じました。
- ビジネス書:
- 章立てや見出しに沿って、論点や結論を整理しながら読む
- 「要約」や「箇条書き」に落とし込みやすい
- 小説:
- 情景や感情、人物関係の変化を、そのまま体験するように追っていく
- 各シーンは断片的でも、後から一つの物語としてつながる
自分の場合、小説を読むときに「登場人物の管理」を頭の中だけでやろうとしてしまい、その負荷で物語に入り込めなくなっていたのだと思います。
そこで、登場人物やアイテムの整理だけをChatGPTに肩代わりしてもらい、「感情の変化や雰囲気を味わうこと」に意識を割くようにすると、かなり読みやすくなりました。
積読小説を「対話しながら」読み返したい
この方法を試してみて、「途中で止まってしまった小説も、ChatGPTと一緒なら最後まで読めるかもしれない」と感じました。
これまで積読になっていた小説をもう一度手に取り、登場人物やアイテムをメモしながら、対話ベースで読み返してみようと思います。
もちろん、物語そのものをChatGPTに要約させてしまうと、ネタバレや解釈の押しつけになりかねません。
あくまで「自分が読んだ範囲を整理するツール」としてうまく使い分けながら、これからも小説との付き合い方を少しずつアップデートしていきたいです。