Apple が発表した「App Store Awards 2025」の受賞作一覧を、ニュースリリースを読みながらざっと眺めてみました。記事は Apple 公式ニュースルーム で公開されていて、今年も「よくこんなアイデアを思いつくなあ」と感心するアプリがずらりと並んでいます。

ポケポケだけ知っている不思議

受賞作として紹介されている 17 本のうち、自分が実際に触ったことがあるのは「Pokémon TCG Pocket(ポケポケ)」だけでした。
iPhone も iPad も日常的に使っているはずなのに、「あ、これ使ってる!」と言えたのが 1 本だけというのは、ちょっと悔しくもあり、同時に「まだまだ知らないアプリの世界が広がっているな」と感じるきっかけにもなりました。

ポケポケは、ポケモンのトレーディングカードを集めたりバトルしたりできるアプリです。紙のカードゲームの雰囲気を残しつつも、アプリならではのテンポの良さや遊びやすさがあり、「うっかりもう一戦……」となってしまう中毒性があります。今回の受賞リストの中で、唯一「あ、これは生活の一部になっている」と言えるタイトルでした。

AI で「いつものアプリ」が変わり始めている

全体を眺めていて目についたのは、ToDo リストや動画編集といったおなじみのジャンルに、AI を組み合わせたアプリが目立っていることです。

  • タスク管理アプリに AI を組み合わせて、タスクの整理や優先順位付けを提案してくれる
  • 動画やクリップを AI が「いい感じ」に編集して、短時間で見栄えのする作品に仕上げてくれる

といった具合に、「単なるツール」というより、ユーザーの作業スタイルに寄り添ってくれる“相棒”的な位置付けになっている印象を受けました。

AI という言葉自体はすっかり一般的になりましたが、App Store Awards に並ぶアプリを見ていると、「AI を使っています」ではなく「AI が入っていることで、この体験が初めて実現した」というレベルまで来ているものが増えてきたと感じます。

ファイナリスト 45 本もざっとチェック

記事内には、受賞作だけでなく、その候補となったファイナリスト 45 本へのリンクも用意されています。せっかくなので、こちらもいくつかピックアップして眺めてみました。

「今年のベストアプリ」となると、どうしてもゲームやエンタメの印象が強くなりますが、ファイナリストまで広げると、生活を地味に便利にしてくれそうなツールがたくさん見つかります。その中でも「これは日常生活の中で使ってみたい」と感じたものを 2 本メモしておきます。

Under My Roof Home Inventory +

「Under My Roof Home Inventory +」は、家の中にある家具や持ち物を登録して管理するアプリです。
最初に見たときは「そこまで細かく管理するかな?」と思ったのですが、セールのタイミングで「そろそろ何か買い替えようかな?」と考える場面を想像すると、一気に便利そうに思えてきました。

  • すでに何を持っているのか
  • いつ買ったものなのか
  • 状態はどうか/そろそろ寿命が近いのか

といった情報が一覧で把握できれば、「似たようなものをまた買ってしまう」失敗も減らせそうですし、保険や防災の観点でも役立ちそうです。
日本の家のサイズ感やライフスタイルにも合う形でローカライズされれば、かなり面白いジャンルになりそうだと感じました。

Is This Seat Taken?

ゲームでは、「Is This Seat Taken?」がファイナリストとして入っていたのが個人的に嬉しいポイントでした。
このゲームは Switch 版をプレイしてクリア済みなのですが、乗客一人ひとりが「この人の隣には誰々を座らせてはいけない」「この座席には子どもを座らせたい」といった制約を持っていて、それらの条件をすべて満たすように座席を埋めていく論理パズルゲームです。

見た目はかわいらしいのに、パズルとしてはしっかり手応えがあります。「あと一人だけどうしても座れない」というところから逆算して、どこかの前提を疑いながら組み直していく作業がとても楽しく、論理パズル好きにはたまらない作品でした。
こうしたインディー寄りのパズルゲームが、App Store Awards の文脈でも注目されているのは、個人的にかなりテンションが上がりました。

毎年生まれる独創的なアプリが楽しみ

受賞作とファイナリストを一通り眺めてみて、

  • 既存ジャンルを AI で拡張するアプリ
  • 日常生活のニッチな課題を丁寧に解決するツール
  • 独創的なゲーム体験を提供するタイトル

が、いいバランスで混ざり合っているラインナップだと感じました。

自分が実際に使っているのは今のところ「Pokémon TCG Pocket」くらいですが、こうして毎年「こんな発想があったか」と驚かせてくれるアプリが生まれ続けているのは本当に楽しいです。
来年は、発表を見たときに「これも使ってる!」「あれも愛用してる!」と言えるアプリがもう少し増えるように、今回気になったタイトルから少しずつ試していこうと思います。