広木大地さんの新著『AIエージェント 人類と協働する機械』がリックテレコムから発売されました。プログラミングの先を見据え、「人類と機械がどのように共存するか」という問いを真正面から扱う一冊です。公式サイト(リックテレコムの書籍紹介ページ)の情報を中心に、概要を整理しました。
書籍データ
- 著者:広木大地
- 仕様:A5判/392ページ
- 定価:2,750円(税込)
- ISBN:978-4-86594-458-7
- 発売:2025年11月(リックテレコム)
想定されている読者像
リックテレコムの紹介では、次のような課題意識を持つ読者に向けた内容だとされています。
- AIエージェントによって社会やビジネスがどう変わるのかを知りたいビジネスパーソン
- AIによる生産性向上や組織変革の可能性と課題を見極めたいエンジニア/マネージャー
- 「AI疲れ」を感じ始めつつ、よりよい付き合い方を模索しているエンジニア
- 正しいAIとの協働スタイルを探している人すべて
4部構成で描くテーマ
本書は全4部構成で、AIエージェントの登場から協働の実践までを段階的に追いかけます。
- 第1部:AIエージェントの登場をどう捉えるか
AIが仕事を奪うのか、コーディングエージェント/バイブコーディングは何を変えるのか、仕事の二極化や「ジョブレス・リカバリー」といった論点を通じて、現在地を客観視します。 - 第2部:人と半導体の新しい組織論
文字の発明からソフトウェアの進化を辿りつつ、人と半導体(AI)がどう価値を再配置していくのか、意思決定の高密度化やAI活用の5段階モデルを提示します。 - 第3部:知識創造というソフトウェアの新大陸
拡張し続けるシステム領域、SECIモデルとAIエージェントの統合、知識創造エージェントを企業戦略に組み込む方法を議論します。 - 第4部:AIと協働する未来を生き抜く
赤の女王仮説、個人のサバイバル戦略、経営のコミットメント、両利きの経営とエフェクチュエーションなど、AI時代にしなやかに生き抜くための指針を示します。
注目トピック
- プログラミングの終わりと新しいエンジニアリング
序章では「AI時代にエンジニアは何を作ることが価値になるのか?」という核心的な問いを提示し、プログラミングの意味を再定義します。 - AI疲れの正体と向き合い方
意思決定の高密度化がもたらす「AI疲れ」をどう捉え、価値判断をアップデートするかを具体的に論じます。 - AIと人の協働デザイン
赤の女王の比喩や両利きの経営を引き合いに、個人・組織がAIと共に成長するための構造・制度・マインドセットを整理しています。
併せて読みたい:『エンジニアリング組織論への招待』
広木さんのもう一冊の代表作『エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』(技術評論社/書籍ページ)も、AIエージェント時代を理解するうえで好相性です。
- コミュニケーションの不確実性を減らす方法、技術的負債の解消、経営とエンジニアの認識のずれの埋め方など、構造的な課題への向き合い方を体系化。
- 開発チームの生産性向上を目指すエンジニアや、社内組織を改善したい経営者に向けた実践的なヒントが多数。
- 「わからないもの」に向き合う姿勢を軸に、思考・組織・ビジネスのリファクタリングを提案しており、AIとの協働時代に必要な土台を提供してくれます。
最新刊と既刊をセットで読むことで、AIエージェントの可能性と課題をより立体的に理解できそうです。